好適環境水®を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖のビジネス化実現をめざす三者共同実証プロジェクトについて

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各 位

令和5年7月20日

会 社 名 株式会社いちい
代表者名 代表取締役 伊藤信弘
問合せ先 専務取締役 伊藤 翼
電話番号 024-594-1111

好適環境水®を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖のビジネス化実現をめざす三者共同実証プロジェクトについて

株式会社いちい(福島県福島市、以下「いちい」)、学校法人加計学園 岡山理科大学(岡山県岡山市、以下「岡山理科大学」)、東日本電信電話株式会社(東京都新宿区、以下「NTT東日本」)は、完全閉鎖循環式陸上養殖のビジネス化に向けた実証プロジェクトを2022年1月21日より開始しました。
この度、7月21日(金)にICHII’SロシナンテMARKET 福島西店にて養殖したベニザケの試験販売を行うこととなりましたので、下記の通りお知らせいたします。
なお、今回養殖したベニザケは、好適環境水®を活用した完全閉鎖循環式陸上養殖プラントにて安全・安心な環境で生産しており、養殖開始後のアニサキス等寄生虫の混入リスクがないため「生食」で食べることが可能です。試験販売でもお刺身・お寿司等の形でのご提供を予定しています。

実施概要「養殖したベニザケの試験販売」
日時:7月21日(金) 9:30~12:00頃
場所:ICHII’SロシナンテMARKET 福島西店(福島県福島市八島田勝口27-1)※敷地内に駐車場有
報道受付:8:45開始 場所:店舗前受付 ※駐車場にて担当者よりご案内いたします。
参加者:いちい 代表取締役社長 伊藤 信弘
岡山理科大学 学長 平野 博之
NTT東日本 福島支店長 畠山 良平

ロシナンテ福島西地図

ICHII’SロシナンテMARKET 福島西店
(福島県福島市八島田勝口27-1)
JR福島駅よりお車・タクシー15分・バス10分
※お車でお越しいただく場合には、
店舗北西側の駐車場に駐車願います。
(当日案内スタッフが誘導いたします)
参考資料(2022年1月20日発表プレスリリース掲載内容)

1.プロジェクトの背景と目的
昨今の海面漁業では、温暖化に伴う高水温化などの環境変動や世界的な魚介類に対する需要増加などのさまざまな要因が複合的に影響して、生産拡大余地のある漁場資源の割合は2017年時点で6%程度※1と水産資源の枯渇が危ぶまれています。
また、日本国内の漁業・水産業界では高齢化や人手不足が深刻化しており、水産従事者・技術者の経験に基づく判断・作業が主流の従来の方法では、今後の水産業全体の活性化に向けて限界があります。
こうした状況を踏まえ、いちい・岡山理科大学・NTT東日本は、沿岸部・内陸部の場所を問わず生産可能で、ICT利活用による生産環境のマネジメントが可能な、完全閉鎖循環式陸上養殖のビジネス化を目指します。
また本プロジェクトは、国内外で人気の高い魚種(サケ・マス類※2)のうち、「ベニザケ」を選定しています。ベニザケは病気に弱く、成長が遅いことが理由で、事業規模の養殖に成功しておりません。ICTによる生育環境管理体制の構築により、ビジネスベースで世界初※3となるベニザケ養殖事業化を目指します。
※1引用元:FAO 「The State of World Fisheries and Aquaculture(SOFIA)2020」
※2地球温暖化に伴う海水温上昇により、日本周辺海域のサケ・マス類に適している水温の期間が短く、日本国内から放流した種苗が母川回帰せず漁獲できないという問題が顕在化しており、今後の安定供給に向けては、生育環境の管理・コントロールが可能な陸上養殖での生産強化が期待される。
※3ビジネスベースでの「完全閉鎖循環式陸上養殖」×「ベニザケ」の取り組みが、当社調べで世界初。

2.プロジェクトの概要
本実証プロジェクトでは、岡山理科大学保有技術の好適環境水※4・養殖ノウハウと養殖プラントシステム、NTT東日本グループの持つICTを組み合わせることで、ベニザケ生育速度の向上、生産に関わる作業の効率化・最適化・自動化、陸上養殖に最適な設備構築を検討・実証します。
また、生産段階のみの評価では終わらせず、水揚げ後の加工・流通・販売における評価も福島県内のいちい店舗での販売を通じて実施し、トータルバリューチェーン全体の観点からビジネス化に向けた評価・検討を行います。
※4水産生物の効率的な陸上養殖を目的として開発された人工海水。海水中に含まれる成分のうち、魚の成長に必要なナトリウム・カリウム・カルシウムに絞り込んで構成されている。塩分濃度も海水よりも低く調整されており、魚の浸透圧調整に関わるストレス軽減・消費エネルギーの削減が見込まれ、浸透圧調整に使っていたエネルギーを成長に回せることで、一部の魚類で成長促進されることが確認されている。

3.参画企業等の役割
<いちい> ベニザケの生産、加工・流通・販売、売り上げデータの収集
<岡山理科大学> 好適環境水の提供、養殖技術・ノウハウの提供、生育指導、プラント構築に伴う技術指導
<NTT東日本> プロジェクト全体マネジメント、本実証実験を通じた完全閉鎖循環式陸上養殖の事業性評価、ICTを組み合わせた養殖プラント設備の提供、養殖ノウハウの形式知化(=デジタル化した生産レシピの作成)

4.プロジェクト実施期間
2022年1月から2023年8月末

5.参画メンバーの本実証プロジェクトに対するモチベーション
<いちい> 従来の小売業に加え生産工程にも取り組み、福島県内のお客さまへの安心安全で鮮度の良い魚の提供。生産工程を地元の小中学生に開示することでの「食育」観点での地域貢献
<岡山理科大学> 好適環境水をコア技術とした陸上養殖の普及・社会実装による地域活性化への貢献
<NTT東日本> 建屋・養殖プラントシステム・生産レシピに係る事業をICT分野でサポートする新しいビジネスの創出

以上